Interview

FinTechの大きな可能性は、「体験」を通してさらに広がっていく~CEATEC出展の感想と事業展開の進捗~

SMILABLE(スマイラブル)株式会社 代表取締役兼CEO澁谷洋介 × Longine FinTech取材班

今回は、2016年10月に千葉県千葉市美浜区の幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2016」に出展したSMILABLEの澁谷洋介(シブヤ ヨウスケ)代表取締役兼CEOに、当日の参加者の反応やその後の事業展開について話を伺いました。

読者に伝えたい3つのポイント

CEATECにおいて、FinTechは多くの方に認識していただく余地がまだまだ大きいと実感しました。

イベントの数だけ幹事さんはいるはずで、そういった機会に「アイムイン」を何度でもお使いいただけたらと思っています。

「アイムイン」は店舗側がイベントを企画し、なじみのお客様に招待をかけるということも可能であり、B2C2Cモデルへの拡張も進めています。

FinTechはまだ十分に体験されていない

Longine FinTech取材班(以下、Longine):2016年はCEATECにFinTechというテーマでエリアが確保され、多くの企業が出展して話題を呼びました。参加者の反応はいかがだったでしょうか。

SMILABLE 澁谷洋介 代表取締役兼CEO(以下、澁谷):これまでのCEATECといえば、デジタル家電などをはじめとした先端民生エレクトロニクスの展示会という印象が強かったようですが、2016年はIoTをテーマとする出展が中心で、その中でのFinTechの位置づけを理解してもらえる良い機会だったと思います。

しかし、FinTechもまだまだ多くの方に認識していただく余地は大きいと実感しました。実際、私どものブースにいらした方でもFinTechという言葉を初めて聞いたという方もおられました。FinTechというキーワードは、2016年には私たちの周りでは結構浸透した印象があるのですが、今後の取り組み次第でさらに知ってもらえるという状況ではないでしょうか。

Longine:ブースでは参加者とどのようなやりとりがあったのでしょうか。

そもそもFinTechとは何かという質問を受けた際には、私どもの「アイムイン」を実際に体験していただきました。いわゆる割り勘という身近な決済体験が、テクノロジーの活用で便利になるという試みには興味を持っていただいたように思います。ブースでのやりとりを終えた後には、次の忘年会などで活用してみたいというご意見も多く頂戴しました。FinTechを知っていただくのには、やはりまずは触れていただくというのが重要だと感じました。

個人間での割り勘の新しい使い方

Longine:ユーザー間での「アイムイン」の使い方は引き続き幹事さんの作業負担を軽減するような使い方が主流なのでしょうか。

澁谷:はい、幹事さんをサポートする使われ方はこれまで通り喜んでいただいております。四季を通じて様々なイベントがあります。また、コミュニティごとにイベントもありますから、たとえば新年会といっても1回とは限りません。多くのコミュニティに参加されている方であれば、それだけイベントが多くなります。イベントの数だけ幹事さんはいるはずです。そういった機会に何度でもお使いいただけたらと思っています。

その一方で、当社としてはテクノロジーを活用した割り勘である「アイムイン」をお使いいただくことで、ユーザーの方がこれまでのライフスタイルをより社交的に変えたり、人と人との接点をこれまで以上に生み出すことができると考えています。

Longine:たとえばどのようなことでしょうか。

澁谷:当社では、プレゼント代をみんなで割り勘で集めることでこれまで以上に気軽に贈り物ができる環境を準備してきました。

提案型ギフトサイトの「おくりものソムリエ」さんとのタイアップで、グループ払い(=みんなでお金を出し合うこと)というのを始めました。これは友達が何人かで誰かにプレゼントをしたい時、みんなでお金を割り勘で出し合ってプレゼントしていただこうというものです。

たとえば、誕生日プレゼントや出産祝いをプレゼントしたい時に幹事さんを悩ませる“ギフト選び”。「おくりものソムリエ」では、予算内で最適な商品をレコメンドしてもらえるため、みんなでプレゼントを贈って何かのお祝いをするというイベントにともなう“ギフト選び”の障壁を取り払い、より多くの方がそうしたイベントに楽しんで参加していただけると思っています。

出所:おくりものソムリエ

B2C2Cでの使い方 – 「船長」起点のアイムイン

Longine:消費者であるユーザーを起点とした割り勘はますます便利になっていくのですね。そうしたユーザーの決済行動の変化を、店舗側はどのように見ているのでしょうか。

澁谷:実はおっしゃるような状況が「船長」レベルで起きつつあります。

Longine:船長?でしょうか。

澁谷:はい。屋形船の船長です。会社のイベントなどで屋形船を利用された方もいらっしゃると思いますが、一方では屋形船を楽しむ機会にそもそも出会えていないという方もいらっしゃるかと思います。そういった方々に対して屋形船を運営している側がイベントを企画し、参加者を募るという仕組みです。そして、その際に必要な費用は参加者で「アイムイン」を活用して割り勘するのです。

また、初めて店舗を利用するケースばかりではありません。店舗側がイベントを企画し、なじみのお客様を招待するということも可能です。その店のことが好きな方同士という前提に立てば、初対面のお客様であっても、そのイベントを機会に新しいつながりができるかもしれません。これまでの割り勘をユーザー間のC2Cとすると、このパターンは店舗などを起点としたB2C2Cと言えるかもしれません。今回の例では船長さんですが、広くは店長さんや店員さんが基点となることを想定しています。

Longine:B2C2Cはビジネスモデルでどのような変化を「アイムイン」にもたらすのでしょうか。

澁谷:狙いとしては、企業側がイベントを数多く企画し集客につながれば、企業からは手数料をいただけるようになるかもしれません。そして、さまざまなチャネルに「アイムイン」が登場することで「アイムイン」の利用者が増え、ユーザー起点のイベントも、企業・店舗側のイベントもより集客しやすくなるはずです。

Longine:では、「アイムイン」を活用していただける企業や店舗などの開拓が必要ですね。

澁谷:営業や開発の人材採用など、事業展開のスピードを上げるために資金調達も含め積極的に活動しています。

Longine:本日はありがとうございました。

澁谷:こちらこそありがとうございました。